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おまきはクローン病になって10年経ちました。

 

 

こんにちは。おまきと申します。

 

難病クローン病と診断されてからいつの間にか10年経ちました。

 

 

現在は症状もだいぶ落ち着いてまして、

お腹の手術も運よくまだ一度も経験しておりませんが、病変は10年分が積もり積もってかなり進行しているので、タイミングみて近いうちに永久ストーマ人工肛門)にしないといけないっていう状況です。

 

やだなあ手術、、

術後の生傷が痛いのにすぐに歩かされて、尿カテもめっちゃ痛そう...(´;ω;`)

すでに手術されてる患者さんからお話聞いてるので、どんなに大変かってのは大体想像できます。

 

ストーマの事も患者さん達にお話を伺って、心の準備中です。

先輩方、とても頼りになります。いつもありがとうございます。

 

 

 

手術こそ今からですが、私は発症直後から生物製剤を導入してもほとんど効果がなく、症状が悪化し続けたため、治療はあの手この手で色々やりました。

 

途中で標準治療の病院行くのやめて漢方一筋でやったり、遠方まで鍼に通ったり、悩んだ末に病院出戻りしたり。

 

そうした今までの闘病記録を、昔の事振り返りながらこれから少しずつ書いていこうと思います。

 

手術に関してはまだ経験ないですし、痔瘻も施術せず温存してるので、大して参考にならないかも分かりません…この病気は人によって症状も様々ですしね。

でも、ほんのちょっとでもこのブログの内容が、クローン病の治療や生活で悩んでる方の力になったら嬉しいです。

これからの手術体験なんかも今後こちらに書いていきますので、乞うご期待です。

 

 

今回は最初なので、まずクローン病ってどういう病気なのか?っていうのを改めて、自己紹介がてら書いていきたいと思います。

 

 

診断されてしばらく経つ患者さんにとっては知った内容だと思いますが、

患者でない方、診断から間もない患者さんやそのご家族といった、クローン病についてまだあまりよく知らない方に向けた説明も、今後もこうしてちょいちょい挟んでいきますので、すみませんがよろしくお願い致します。

 

それにこの病気の事、人に説明する機会は私も今までに何度てありましたけど、その場で簡潔にかつ誤解の無いように説明するのが結構難しいんですよね。

なのでそうやって周りに説明するときなんかにも参考にして頂けたらーと思います。

 

では今回、こんな内容になっています。

 

 

まずはじめに、クローン病てどんな病気?ってとこから簡単に説明していきます。

 

1.クローン病ってどんな病気?

クローン病は消化器官の病気

クローン病口から肛門までの消化管全体に潰瘍など炎症が現れます。

炎症が現れるのは主に腸ですが、胃や口にも症状がでます。

 

似た病気で潰瘍性大腸炎という病気がありますが、こちらは聞いたことある人多いんじゃないでしょうか。有名人の方でおりますよね。

 

クローン病との違いは、炎症が現れるのが大腸のみってところです。

 

稀にUCでも小腸にも病変がある場合もあるようですが、稀なので、ほぼ大腸だけって思ってていいと思います。

この二つの病気、まとめてIBD(炎症性腸疾患;Inflammatory Bowel Disease)といいます。主な症状も被るところが多いので、兄弟みたいなもんですね。

 

ちなみにですが、潰瘍性大腸炎はUC(Ulcerative colitis の略)、クローン病はCD(Crohn Disease の略)と言ったりします。

 

UCは患者さんとの会話の中で割とよく使いますが、CDは患者さん間でも伝わりにくいので、自分はあんまり言わないかなあ。

 

主な症状

胃や腸の中に潰瘍ができると、腹痛や下痢、下血、発熱を引き起こします。

それにより栄養がうまく吸収できないので貧血にもなりますし、瘦せるときは短期間でガンっと痩せます。逆に回復すると今度は薬の副作用や使用する栄養剤のせいで激太りします。

私自身は一年間で体重が10㎏近く増減したこともありました。

 

自分もともとがぽっちゃりさんなので、ある程度痩せるのは実は正直少しうれしいのですが・・何事も限度ってものがありますので。延々減り続けると不安ですし、体重落ち過ぎると体力もガタッと落ちるので、家の中を移動するだけでしんどいです。

 

そんな状態でトイレシャトルラン(トイレを何度も往復)を一日中やりますので、

なおの事やせ細ってガリガリなります。

まあ、ここまで状態が酷くなればかなり危険ですし、大抵は入院させてもらいます。

 

狭窄

炎症を繰り返して腸が狭くなると、これ自然に元に戻りません。狭窄といいます。食べた物が通過しなくなるので手術が必要です。

 

おまきは大腸の狭窄がかなり酷い状態なので、食事を詰まらせないように食材や量にかなり注意してます。

 

痔瘻

患者さんを頻繁に苦しめる、痔瘻(じろう)。これも手術じゃないと治せません。私はこいつが憎くて憎くて仕方ありません。

 

返せよ、、私のきれいな菊っ(´;ω;`)

 

何度もお腹下すうちに、お尻に膿が溜まるようになり、腫れて、はじけて、お尻の穴の脇に新たなトンネルが開通するんです。なんとむごい。。

腫れてる間はあまりの痛さに着座もままならず、大の大人がガチ泣きします。

腫れても痛い、痛いんで病院行ってで切開してもらっても痛い。

治った、またできた、の繰り返しです。

 

手術はシートン法といって、ゴムを瘻孔に通して、輪っか作って、キツく縛ってどんどん穴を外側にもっていって無くすっていう方法です。ちょっと伝わりにくいので、詳しく知りたい方はぜひ調べてみてくださいね。

 

おまきは痔瘻4つもあるくせにこれ一回もやったことないんですが、患者さん仲間から聞いた話ですと、ゴム通すとこれもまた痛くて座れないらしいです。ゴムとれた報告を頂くと、本当によく頑張りました…!って感じで、辛さが分かる分こっちもすげーうれしいです。

 

人工肛門ストーマ



腸の状態がさらに悪化すると、人工肛門が必要になります。

一時的に置いて、回復したらまた元に戻せるタイプの一時的ストーマと、

直腸を取り除くため、一度置いたら元に戻せないタイプの永久ストーマとあります。

どちらを置くかは、先生の判断による所が大きいです。

 

ストーマは設置する場所でコロストミーやイレオストミーと言って、呼び方や扱い方も違ってくるんですが、詳しい説明は今回省きます。

 

 

クローン病は国の指定難病

クローン病は原因がわからず、今のところ完治させる治療法が確立されておりませんので、

難病指定されています。

 

根本的な治療はできませんので、普段は症状を抑える薬や、食事制限でなるだけよい状態をキープします。

 

クローン病、まとめると

 

  • 口から肛門までの消化管全体に炎症が起きる病気
  • 腹痛や下痢、下血、発熱、貧血、体重減少を引き起こす
  • 狭窄や痔瘻になる
  • 場合にとっては人工肛門
  • 根治治療がなく、難病に指定されてる

 


こうしてみると、病気大変そうだなーという感じですけど、

 

あえて言います、まじで大変です。

 

時期や人によって症状の重さに差はあれど、この病気を何年かしていれば、その間に症状や手術で本当につらい時期を一度と言わず二度三度と経験すると思います。

 

中には、重症化してそうしたつらい時期を何度も乗り越えて、手術をすでに何度かして、今は落ち着いた生活してる患者さんもいらっしゃいます。

でもそこだけをみて、「難病っていうけれど意外と大丈夫そう」って思われたくなかったので、この病気はつらいんだって事を私はあえて先に言いました。

 

 

大変ですけど、症状が安定しているうちは健康な人と同じ趣味を楽しんだり、仕事したり、食事したりってすることはもちろんできます。ただ、常に注意することはいくつかあるのでコツはいります。

 

どういう場面で、どういったコツが必要だったか、私が実際に苦労した事を見ていきながら伝えていきたいと思います。

 

 

2.クローン病これがつらいんだわ

1) 油断の隙もない腹痛と便意



この病気の一番のストレス要因っていったら、腹痛とトイレ問題ですかね。。

 

昨日も今日も明日も、明後日もお腹痛い

もう、酷いときは24時間常にお腹痛い。

急に激しい便意来るし、一日に何十回とトイレをダッシュで往復。

しかも、たまに間に合わなくて大惨事。

 

もう、シンプルに生きてるのがつらくなってくる。

 

私は現在腹痛の症状は落ち着いているので、ここまで苦しむことは最近ありませんが、発症時はまさにこんな感じでした。

今でも外出時はお守り代わりのナプキンと替えのパンツが手放せませんし、人によっては大人用おむつにお世話になる機会も度々あります。

 

 

でも正直オムツなんてする方がむしろストレス、、って方もいらっしゃる。

そりゃあ誰だって抵抗ありますもんね...安心感パないけど、できれば使いたくないのが本音。

 

でも状況によっては、恥ずかしいからムリとか正直言ってられなくなったし、今までに外で何度か失敗して学んだ。より快適に過ごす為には、恥は捨てずとも意地は捨てていいかもしれない。

 

生理用ナプキンやおりものシートなら自分は抵抗なかったし、粘液便少しついた時も捨てるだけで下着洗わなくて済んで便利ねーアレは。トイレしばらく行けないようなとこ行くときはうっすいの念のため敷いとる。我的おすすめ策~。

 

排便障害重い人は、もしもの時のお守りセットは持ってて損はないと思うし、ゴミ袋とか自分でカスタマイズしてね。百均に防臭のとかありますよ。

 

 

我あるところ則ちトイレあり。



いつだってどこにいたってトイレマンですから、この病気になってからは外出先では必ずトイレの場所チェックが欠かせません。調子よくて全然トイレ行かないときでも、まず場所を把握しないと不安になります。

 

お腹の調子が悪いときは、すぐ降りられない電車やバス、絶対乗りたくないです。

 

またトイレ我慢してやっとたどり着いた先でも、

 

男性女性でトイレ事情は違いますが、

男性の場合、たった一つの個室にだれかが入ってた時。

女性の場合、遊園地の人気アトラクションみたいな長い行列を目にした時。

 

その瞬間、「終わった」と絶望しながらもひたすら念じながら順番待ちですね。

地獄の時間。

 

 

また、大自然に囲まれた場所なんかですぐ近くにきれいなトイレがなかったりすると、内心自然を満喫どころじゃねえです。早く私を文明の下へ帰らせてってなる。

 

野外レジャーは近くにトイレがある事が必須条件。

きれいでウォシュレット付きだと、なお良し。

 

あとこれは一つアドバイスなんですが、不衛生なウォシュレットは細菌感染起こして発熱を引き起こしたりするので、使用はなるだけ避けた方がいいです。

そもそもウォシュレットはあんま使うと粘膜バリアがなくなるからよくないらしい。

でも使っちゃうよな。

 

2) 発症年齢が若い

クローン病は10代~20代くらいの若い年齢での発症が多い病気なので、

青春真っ盛り、働き盛り、人生これからって時に、突然難病と診断され戸惑う患者さんも多いはずです

 

私自身も、診断当時は高校1年生、これから青春を謳歌するぞ~って時でした。

 

学生の方は通学時、授業中に度々襲われる腹痛、本当に困りますし、

勉強中も集中力を欠きますし、授業中トイレに行くのもかなり勇気がいります。

まだ恥を一切捨てきれてない若い人にとってはそれだけで精神的にしんどいものがありますよねー。

 

働き盛りの人は、それまでの働き方によってはやり方を全部一変する必要が出てきたり、辞めることを余儀なくされたり。

 

他にも、すぐに結婚を控えていたタイミングで難病と診断された人、出産のタイミングで分かった人、それぞれいらっしゃると思いますし、人それぞれ、「なんで今このタイミングなの??」と思った方もいると思います。

 

そして自分自身はもちろん、突然の難病診断に周りも戸惑います。

病気が分かった途端、それまで一緒にいた友達や恋人が離れていったり、なんて話もわりと結構聞きます。

 

こればっかりははもう誰が悪いとかじゃないからね。。みんながみんな、自分の事のように受け入れてくれる人ばかりじゃないし。

 

ですけど、病気の自分も許容してくれる人は近くにきっといるし、そういう人と一緒にいた方が、患者さん自身は幸せになれると思うなあ。離れていく人と無理に一緒にいる事ねえと思うよ。

 

あとこの病気が、幸か不幸か難病なのに多少無理通せば、健康な人と同じフィールドで生活できちゃうので、他の人たちと自分をつい比べてしまいがちなとこあるよね。

 

同世代が勉強や部活に打ち込んだり、バリバリ仕事しながら休日は旅行や趣味を満喫したりする中、自分は平日乗り切るだけで疲労困憊、休日は外出もろくにできないって状況がふと見えちゃった時。なんならろくに学校にも通えなくなったり、働けなくなっちゃった時。

 

周りの同世代見てたら焦りや不安、悔しさなんかも相まって落ち込んじゃいますね。

でも患者さんたちは、世の大多数のみんなとは状況が少し違うんだよってこと忘れちゃだめだよな。。毎日つらい症状に耐えながら患者さんなりに一生懸命頑張ってるわけですし、焦らず自分のペースで頑張っていけたらいいんだよね。

 

と、自分にも日々言い聞かせてます。。へへ。

 

3) 細かい食事制限





次は食事制限の話。

これはかいつまんだって絶対長くなるので(実際長くなりました…)、次回と分けました。

 

クローン病の食事制限ですが、

もともと好き嫌いがほとんどなく、アレルギーも無くなんでも残さず食べてた私にとっては

 

「何でも自由に食べられない」

 

これが人一倍しんどいと感じたし、食べ物残すのは未だに抵抗ある。

 

病気になる前までは、食事で気を付ける事と言ったらお野菜、お肉、炭水化物とバランスが偏らないようにする、カロリーを摂り過ぎないようにする、とまあ当たり前程度には健康に気を配ってました。

 

クローン病になってからは、メニューを選ぶ基準は栄養バランスよりクローン病の食事制限が中心です。制限される食材が幅広いので、そうすると外食では選択肢が選べるほどないこともあります。

 

かなり不便な上にこの食事制限は、病気の症状を安定させるためには常に必要とされているので、いつまで続けるっていう明確な終わりがないです。

 

毎日毎食、食事制限の事を考えながらの生活は、診断から間もない頃は特にストレスでした。

 

食事に対してはじめのうちかなり神経質になって、あれはいいかこれはだめか指導表を逐一チェックして、みんなが食べてるのとおんなじの食べたくても我慢で、それに似せて作ってあるレトルトのクローン病食は食べるとより一層虚しさが増して、いつの間にか食事は辛いものになっていて、全然楽しめてませんでした。

 

今は食事制限の中でも、自分が食べられる範囲がだんだん分かってきてきたので、気持ちに余裕を持って食事をちゃんと楽しむことができています。

 

外での食事も、食べられない食材は家族やパートナーが代わりに食べてくれたり、一人で食べると脂質高くて無理なものは半分こしてくれるので、結構色んなメニューが食べられます。

 

わたしがストレス溜める事なく楽しく食事できてるのは、そうした周りの協力もあっての事なので、いつも本当に感謝しています。

 

私が普段食べないよう気を付けている食べ物



クローン病の食事制限、狭窄持ちである自分のを例にあげると、

普段絶対に口にしないよう気を付けているのは

  • 繊維の硬い野菜
  • 貝類・タコやイカ・海藻類
  • キノコ類
  • こんにゃく
  • 辛い物
  • 生クリーム

 

多少は食べられるけど、極力避けて食べないのは

  • 揚げ物、脂の乗った肉、バターやマーガリンなど、油をたくさん使っている料理
  • 冷たい牛乳

 

といったものになります。

 

繊維の硬い野菜ってどれよ、っていう見分け方の目安は、

調理した状態で口に入れ、噛まずに舌で潰したときに繊維質が残るか否か、

ってイメージです。

これでいくと煮た大根やニンジン、玉ねぎはOK、ゴボウや水菜、もやし等はNG、といった具合です。

 

 

食物繊維でOKなのとNGのものには、水に溶けるやつ(水溶性食物繊維)溶けないやつ(不溶性食物繊維)っていう違いがあります。溶けないやつは詰まりやすいので、狭窄が酷い私は特に細心の注意を払ってます。

水溶性でも、調理法がお漬物みたいに生だったり、よく煮てあったもたくさん食べれば詰まる可能性が高いので、お野菜はいつも少量にしてます。

 

私は実際に今まで何回か詰まって、意識を失いかけてあと一歩で救急車ってとこまでいきました。。よく煮たお鍋のやわらかい大根や白菜も、たくさん食べたらダメでした。

 

狭窄がなくても、硬い食物繊維は腸壁を刺激していくので、腸に炎症ある患者さんは避けた方がいいようです。

 

ここで、生クリームはさすがに詰まらんやろって思いますけど、、、詰まりませんよ(ニッコリ)

 

これは、いわゆる私にとっての地雷食材です。

 

クローン病の患者さんは、脂質が高い食事は基本ほとんどできません。

でもその中でも、人それぞれ調子が良い時なら多少は食べられるってやつと、ちょっとでも食べたら酷い下痢と腹痛に見舞われるってやつがあります。

 

人によってその一発アウトがバターだったりマヨネーズだったり、豚肉だったり様々ですが、私はケーキの生クリームがどうやら特に合わないみたいです。

これは私のお腹に確実にダメージを与える種類の脂質だってことが、10年間のトライ&エラーで分かってきました。

 

(ちなみに生クリームも牛乳も、熱を加え調理すれば大丈夫です。これは牛乳に含まれる乳糖が関係しているみたいです。なので同じ乳製品でも、乳糖がある程度分解されてるチーズやヨーグルトは、私の場合お腹大丈夫でした。)

 

人によって劇的にダメな地雷食材が違うんで、患者さんどうしでもあれ良かったよーっておすすめし合う時なんかはちょっと注意が必要ですね。

 

ここまで、クローン病の基本的な食事制限を私の場合を例に挙げましたが、次回で補足や、食事制限のある生活での悩みについて書いていこうと思います。