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知らなかった、最近のクローン病の食事制限事情。

 

 

こんにちは、おまきです。

今回は前回の続きで、食事制限の話を補足しながらもう少ししていこうと思います。

またタイトル通り、私自身改めて調べていく中で初めて知ったこともありましたので、ここで共有したいと思います。

 

※記事の内容ははただの一般患者が書いたものですのでご了承ください。

 

 

 

1.クローン病の食事制限





NG食材とOK食材

クローン病患者さんは具体的にどういった食べ物がNGなのか、

大まかにまとめると、

  • 脂質が高いもの(油脂類、牛豚肉、揚げ物、洋菓子、スナック菓子など)
  • 食物繊維が豊富な食材ごぼうなど繊維の硬い野菜)
  • 消化の悪いイカ、タコ、貝類(牡蠣はOK)、海藻類、キノコ類
  • 刺激物(辛い物チョコレートやスパイス、カフェイン)

 

こんなかんじです。

狭窄がない患者さんは、食物繊維はある程度摂る方がいいみたいです。

一方、私みたいに酷い狭窄がある患者さんは、前回記事の最後で説明しました、比較的消化に負担のない水溶性の食物繊維でも詰まる可能性があるので、調理法や食べる量に細心の注意が必要です。

 

omakitan.hatenablog.com

 

 

比較的安心して食べられるOK食材は、鶏の胸肉やささみ、白身魚、豆腐やうどん、白米、卵、和菓子といった

  • 低脂質
  • 低残渣
  • 高エネルギー
  • 高たんぱく

 

という、減量中のアスリートみたいな、赤ちゃんの離乳食のような食事になります。

(実際、お腹のためにお菓子を赤ちゃん用の選ぶことがあります。たまごボーロとか、ハイ〇インとか、手軽に買えるんで助かってます。)

 

調理の仕方も、油やバターがあまり多く使用できないので、味付けは和風中心でさっぱりしたものになりがちです。


おまきは茶碗蒸しが大好きなんですが、茶碗蒸し自体はOK食材なので、罪悪感なく食べられる事が私にとってだいぶ嬉しいです。ただ、椎茸や筍などの消化しにくい具材が入っている場合は念のため除きます。

茶碗蒸しに入ってるくらい少量なら、詰まる心配は無いかも知れませんが、一応。

詰まってから救急車の中で後悔したくないですから…(震

 

OKとNG一覧

OKとNGの具体的な食材は、こちらに一つ例をお借りして載せておきます。

「Q 食事に制限はあるの?」というタブのところに見やすい表がありますので、そちらご参照ください。

entyvio.jp

 

こういった食事制限の表は、病院によっても内容は結構まちまちで、

パンが大丈夫だったりダメだったり、

魚も脂の乗ったマグロやブリは良くなかったり、

プリンは中には脂質高いのもあるのに、そこには言及されず消化が良いという意味でOK枠に入ってたり、正直あんまりあてになりませんね。。

 

食事選びの細かい部分は、個人差もだいぶあるようですので、お腹の具合見ながら自分で探っていかないと分からないことが多いです。

 

人によってOKかNGかが結構分かれる、コーヒーとお酒を例に少し見ていきます。

case1,コーヒー



コーヒーについては、飲んでも平気だよって患者さんも結構いらっしゃいます。

 

NGの理由は、コーヒーに含まれるカフェインが刺激物になるからなんですが、煎茶や紅茶にもカフェインは含まれてますので、煎茶なら500㎖ペットボトル一本、紅茶なら2杯飲めばドリップコーヒー一杯分くらいにはなります。

 (参照;カフェインの過剰摂取について:農林水産省

 

ただ濃度が低い方が、吸収がゆっくりになって腸への刺激は少ないかもしれませんね。

 

私自身はというと、ブラックコーヒーは飲むと多少お腹が緩くなります。なので便秘の時に少し飲んだりしてます。

カフェオレやソイラテなど、何かと割ってあるとお腹にはほとんど影響ありません。

case2,お酒



お酒に関しては、やはりあんまりたくさんは良くないみたいです。

お酒に限らず、冷たい飲み物は大量に飲むと腸を冷やして良くないですし、また腸内細菌が乱れる原因にもなります。

 

自分、お酒は強い方なので大学生の頃は結構ガンガンいっちゃってましたが(汗、

これが現在の狭窄に繋がった可能性があるので、深く反省しております。

たまに一杯や二杯、嗜む程度なら問題ないと思います。

 

FODMAP(フォドマップ)

 

また最近は以上に加えて、FODMAP(フォドマップ)も取り入れると、人によっては良い効果が期待できると聞いたことがあります。

 

FODMAPとは、小腸で吸収されにくい糖類の略称です。

 

低フォドマップの食事を心掛けると、潰瘍性大腸炎クローン病の症状改善に有効だと言われています。

 

しかし残念ながら、上記の食事制限で、どこ見ても大抵OKに入っていたうどんそうめん、豆腐、リンゴや桃、玉ねぎ、ヨーグルトなどの発酵食品は高フォドマップになりますので、避けるべき食材に分類されてしまいます。

 

食べられるものがいよいよ無いですね……。

パッと思いつくものが白米と鶏ささみと人参くらいしかないな。

 

週末だけ低フォドにしたりと、上手に取り入れてる患者さんもいらっしゃったので、食事制限しているのに、症状が中々改善しないという方は試してみるといいかもしれませんね。

 

クローン病はビタミンやミネラルが不足しがち



クローン病の症状改善に、ビタミンD亜鉛マグネシウムなどが効果があることも分かってきています。病気の症状で栄養の吸収が悪くなると、これらの不足による体の不調が顕著になり、余計具合が悪化することもあります。

 

私は栄養状態がかなり悪化していた時期、慢性的に吐き気がありました。

調べたところ、どうやら栄養不足に伴うマグネシウム不足らしいと分かり、アーモンドを数粒かじるように意識したところ、気のせいかもしれないけど症状がかなり良くなりました。

ナッツは消化良くないので、本当はサプリメントのが良かったかもしれないけど。

 

 

またマグネシウムは、エプソムソルト(硫酸マグネシウム)入浴剤などによる皮膚からの吸収が経口摂取と同じく、または吸収効率の面からそれ以上に効果があると言われています。

腸からの吸収に頼れないクローン病患者さんにとっては、皮膚から効率よく吸収できるとありがたいですよね。

 

 

マグネシウムの経皮吸収に効果がある事を示す研究結果は多くあるものの、科学的な証明には未だ至っていないようです。経皮吸収の研究データはまだ少ないようなので、これから研究が進んでいくと分かってくるかもしれないですね。

 

2,脂質制限

1)クローン病は1日30グラム。

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もしよろしければ次回コンビニに行ったとき、自分が食べたいと思ったお弁当を手に取って、栄養成分表示を見てみてください。原材料とかの下あたりですね。

 


一食あたりの脂質は何グラムでしょうか。

 


クローン病の患者さんは、体調が良い寛解期であっても、一日の食事から得る脂質の摂取量を30グラム以内に収めるよう推奨されています。

一般の成人男性目安の半分です。

 

じゃあ一日3食だと、一食分10グラムちょいなら大丈夫だなーって、お弁当の表記を見るとえっ??て、なりましたか。。

 

やっと見つけた脂質低めのお弁当も、野菜が具沢山~とか、海藻たっぷりで思わず唸る。

お弁当、半分残すのももったいないですし、諦めましょうか、、ってなるんで、私は結局いつもおにぎり買って食べてます。

 

たまには脂質気にせずお弁当選びたいなーと思うこともあります。

実際私は食事でストレス溜めないよう、調子が良い時はたまに羽目を外して脂質気にせず食事を楽しむこともありますが、そういうときって大抵、お祝い事や記念日なので、コンビニ弁当なんか食べるよりは~って普段あまり行けないところに外食行っちゃうことが多いです。

なのでコンビニ弁当はめったに食べられないですね~。美味しそうだなーと眺めて、裏見て、再び置きます(笑)

 

でもコンビニのおにぎりも好きですよ。一応、海苔が少な目で、脂質が低いの選びますが、中には珍しい具もあったりするので、そういう脂質が低くて美味しそうなのよく探します。

 

2)潰瘍性大腸炎クローン病寛解期の違い。

クローン病は脂質低いほどいいぞぉ~~

潰瘍性大腸炎の場合は、症状が落ち着いている寛解期であれば、脂質の制限は必要ないとされています。一方で、クローン病の場合は寛解期でも脂質の制限は続けるよう推奨されています。一日の脂質摂取量が低ければ低いほど、寛解を維持できるということが分かっています。

 

「低脂肪」の食事を心がけることは、クローン病の状態を少しでもよく保つためにとても大切です。実際に、クローン病の再燃と脂質の摂取との関連を調べた研究で、脂質の摂取量が増えれば増えるほど、再燃率も高くなることが報告されています。

 

クローン病の食事で気を付けたいポイント – IBDプラス

 

なのでクローン病の場合は、寛解期にたまに羽目外しちゃったとしても程々にしておいた方が良さそうです。

 

3)脂質の種類や状態がわりと重要



脂質の量にばかりこだわって、種類をおろそかにすると損かもしれません。

中には、クローン病の炎症を抑えてくれる働きをする種類のものもあります。

 

n-3系

例えば、腸の炎症を抑えてくれる効果があるのがオメガ3系の油です。

 

オメガ3系を多く含むもの

サバやイワシなど青魚、亜麻仁油、えごま油 など

 

オメガ3系は、体の外から取り入れる必要がある必須脂肪酸といいます。

意識的に摂取するといいと思います。

 

私が言うだけでは説得力に欠けるんで、こちら少し古いんですが資料も置いときます。

クローン病患者におけるn-3系脂肪酸摂取による緩解維持効果

 

あと亜麻仁油に関してですが、知ってる方も多いかと思いますが、熱を加えるとせっかくの栄養素を大きく損なうので、非加熱が前提です。ドレッシングとしてお豆腐やサラダにかけて食べるんですね。

加熱調理には、えごま油を使用するのが良いと思います。

飽和脂肪酸

地雷な方が多いバターやラード、牛脂といった動物性の油脂は、飽和脂肪酸を多く含んでおり、お腹にあまり良くないです。

 

飽和脂肪酸を多く含むもの

バター、ラード、牛脂、カカオバター、卵黄、パーム油、ココナッツオイル など

 

ただココナッツオイルに関しては、良質な植物油で体に良いという意見もあります。

以前どこかでクローン病の炎症を改善するみたいなのをみかけて、わざわざ買ったんですが、ココナッツオイルは匂いが独特なので、美味しいんですけど、普段の調理油にはあまり向きませんでした。

n-6系



クローン病の患者さんが特に注意が必要なのは、オメガ6系の油脂です。摂取し過ぎると、腸の炎症を悪化させるおそれがあります。

 

オメガ6系を多く含むもの

サラダ油、ごま油、マーガリン、ひまわり油、大豆脂、コーン油 など

 

この中でも、マーガリンはいわずと知れたあのトランス脂肪酸を多く含むので、要警戒です。

バターのかわりに~ってじゃんじゃん使ったらやべえです。

最近はトランス脂肪酸を減らしてある優秀なマーガリンもあるみたいなので、そういうのを意識して選ぶといいかも。

 

じゃあ、オメガ6系はとことん排除すればいいのかっていうとそういうわけでもないです。

オメガ6系もオメガ3系と同じ必須脂肪酸といって、外から摂取しないといけない種類の脂肪酸ですし、健康に良い効果も持ってます。

 

ただ、Wikiによれば日本人はそもそも6系を知らないうちに過剰摂取してるみたいなので、クローン病の患者さんに関しては意識して避けるくらいがちょうど良いかもしれません。

 

n-9系

ちなみに、一般家庭でもよく使用されるオリーブ油や菜種油は、オメガ9系です。

9系はいいのか悪いのかっていうと、別段悪化させるっていうことはないみたいなので、バターやごま油よりはいいと思います。

 

 

それと補足しておきますが、オメガ3系を多く含む亜麻仁油の中にも、オメガ6系脂肪酸は含まれています。何系に属するかっていうのは、その食品の中にその系統の脂肪酸を、割合的に多く含んでいるかどうかで決められてるんです。

 

つまりは、良い脂も体に良いからってとり過ぎると、同時にあまり良くない脂も少なからず摂取することになりますので、注意です。

 

時間が経って酸化した油は避けて!

そもそも酸化した油は誰の体にも良くないんですが、クローン病患者さんは健康な人に比べるとより盛大にダメージ食らいますので、気を付けた方がいいです。

 

使いまわして古くなった油で揚げたものとか、出来てからだいぶ時間の経ったスーパーの総菜とか、賞味期限の切れたインスタント麺など、

美味しそうでも、もったいなくても、体の事を考えるなら主力を尽くして食べるの避けましょう。

 

3,クローン病寛解期の脂質制限は必要ないかも?

脂質低いほど良いって、さっき、言ってたじゃん…!

クローン病は脂質が原因で悪化するから、症状が落ち着いている寛解期も脂質制限が必要だ、というのが従来の常識でした。

しかし最近のある研究で、どうやらそういうわけでもないかもしれんぞって見解が出てきたようです。

 

こちらのクリニックが、その研究について説明して下さってます。

※(追記)現在はページリンクが切れてます
horita-naika.com

 

これまで、栄養剤(+脂質ゼロ)がクローン病の症状を寛解させるのに大変有効だったので、「では脂質をとらなければ良いんだな」っていうのが従来の考えでした。

 

しかし実際は、栄養剤(+脂質あり)も同様に有効だったんで、「じゃあ脂質を含まないから良い、というよりは、脂質の種類や、栄養剤で補われる何かしらの栄養が良い、ってことか?」となってきたわけです。

 

それにアメリカでは日本のように脂質に厳しい制限はないんだとか。

(これは元々の食生活の違いも大いに関係してそうですが。)

 

じゃあ今までコツコツやってきた脂質制限や、栄養剤生活は全く無意味だったのかというと、けしてそんなことありませんよね。

一日30グラム以内っていうのにそこまで意味があるかはともかく、

脂質が種類によっては病気に影響を及ぼすということはどうやら間違いないようなので、全体的な脂質量を制限することで、良くない種類の脂質の摂取量を相対的に減らすことができます。

 

また脂質の有無に関わらず、栄養剤の使用が症状の安定に大きく貢献することが分かっていますので、寛解導入・維持には定期的に栄養剤を使用することが好ましいといえます。

 

ただこの栄養剤、患者さん間でもかなり美味しくないって意見が多いですし、毎日何本も飲むものとして、QOL的にそこはネックだよなと思います。

私は幸い比較的美味しく飲めてますが、一口も飲めないって方も結構いますよね。。

 

この栄養剤の話も、今度したいと思ってます。

 

とりあえず今回はこの辺で。

次回更新も気長にお待ちください。。